テーマパークの虜達 【27】
★
初めて経験する羞恥責めに、アキラはすっかり意気地をなくした。プライドは、もはや
採り返しようもない！少なくともパメラとその連れの前では、二度と頭が上がらない気が
した。その二人にトイレにでも導かれる幼児のように、隣接する一室に連行された。その
場所がさっきまで拘束されていたホールよりかなり薄暗いのはアキラの心を慰めた。パー
テーションで幾つかに区切られた部屋だった。確かな広がりが掴めない。緋色のライトに
照らされた暗室のような空間。クイックマッサージの台のようなものに拘束されたアキラ。
手は防具のようなグローブを嵌められ、胸の前で、ハンドル状のものにベルトで固定され
ている。膝にもプロテクターのようなものを嵌められ大き目のステップのようなものに固
定された。腹は、クッションの着いた支持板に受け留められ、太腿は、Ｕ字型の座面に落
ち着かさせられた。レーシングバイクに跨るかのよう格好で、尻の穴も股間も無防備に曝
け出さされたアキラは、女王達の先の読めない企みに身を強張らせた。
「今は虐めたりしないから」
パメラは珍しく優しい声でそう言いながら、ケーブルの繋がれたゴーグルをアキラに被
らせた。視界が奪われ、不安を感じた。聴覚が敏感になり、水道の蛇口を開く音や、空調
の音が耳に迫ってくる。女達の歩く空気の流れが肌に感じられるかのよう。冷水で洗いた
てかのような、女の冷たい手が、アキラの太腿に触れる。アキラを支配する者のその指先
は、彼の縮かんだ褐色の袋に触れ、飼い犬の顎を愛撫するかのように、撫でた。女の息が
肛門に触れる。臭わないだろうかと心配しながら、アキラは我ながら情けない気遣いだと
気が落ち込んだ。
「そんなに、ギュッと絞らなくても、お尻の穴を犯したりしないから」
パメラの声が頭の中に染み込んでくる。
「それともウンチでもしたい？」
パメラがアキラの肛門に息を吹きかける。
実際、少し腹具合に不安があったが、アキラは少女のように頭を振った。
「違うってさ！」
パメラに伝える相棒の声が耳元で聞こえる。
目隠しされ、身動きも出来ず、女達の声を聞いてるだけで、不思議とペニスが勃起して
来た。縮かんだ袋を解そうとするかのような、パメラの指先の動きも相俟って、もうギン
ギンになり始めていた。パメラはそれを、見透かしていたかのように、アキラのペニスを
後ろから掴み、ニ、三度扱いた。下腹部に、鞄のようなものが当たったと思ったら、アキ
ラの男根は、何やらヌルッとした肉の塊のようなものに押し付けられ、やがて、ギュッと
包み込まれた。パメラはハーネスのような感じで、アキラの下腹部に何かを装着した。腰
にベルトが廻され、カチリと音がする。睾丸と、男根の根元もベルトのようなもので痛く
ない程度に固定された。心は充分痛かった。貞操帯を嵌められる犬のような惨めさだと思
った。
やがてゴーグルの視界に映像が現れた。
これは、何らかのマスターベーション機器だと思った。こんなに無理矢理されるのを果
たしてマスターベーションと言うのだろうかとの疑問は在ったが。
「思う存分楽しむのよ」
尻の穴丸出しで、環視されながら、気持ちが落ち着く筈もなく、映像に集中できる訳も
ない。パメラの言葉を皮肉に感じたアキラだったが、その考えはやがて裏切られた。
★
自分の股間から、水気を帯びた音が囁きだす。
レナは自分の膣口がひくつくのをすごく実感し、羞恥心がいまにも叫び声を挙げだしそ
うだった。
サラは、餌を求める魚の口のようになったレナのその部分からジュースが滴りだしたの
を確認すると、自分のスーツの下腹部に着けていた黒い股当をバックルごと取り去った。
禍禍しいものがレナの視界に飛び込んで来た。ゴムで出来た男のシンボルが、サラの股間
に屹立している。バックルの裏に隠されていたそれは、サラ自信をも犯そうとするかのよ
うに幾つかのケーブルやベルトを従え、サラの局部に侵入しているように見えた。何より
も、レナを混乱させたのは、赤く上気したサラの表情だった。恋人を見るような潤んだ瞳、
微かに開いた熱い唇。それが、快感を予感してからなのか、羞恥心から来るものなのかは
レナには判断できない。
熱った身体が近づいてきて、黒いディルドーの先端がレナの泉に宛がわれた。丸出しで
はないが、サラの刈り整えられた陰毛や、柔らかい局部の肉付きがレナの視界に晒された。
何故か平等な気分がして、レナは奇妙な安心感を感じた。粘膜の上を慰める様に転がるデ
ィルドーの感触を心地よく感じる。
やがて、サラの手の平がレナの恥骨を圧迫し、親指が亀裂の先端を押し上げた。諦めと
は裏腹に、ぞっとするような異物感とともに、それは侵入して来た。サラは大きな肉の抵
抗を感じたが、口を半開きにしたレナが下腹を突き出し、腰を開くのを見て、一気に挿入
した。
「その調子よ」
支配者然としたそんなセリフもレナにはもはや気にならなかった。
サラはゆっくりと注挿を開始し、それを受けとめるレナの体を巨人の鉄の手は柔らかく
支えた。
★
ゴーグルの中で展開する世界にアキラは、今にも卒倒しそうな気分だった。
裸さえ見たこともないレナの体に今、黒いディルドーが突き立てられようとしているの
だ。まがまがしいそれがレナの肉の襞を掻き分け、侵入すると同時に、アキラのペニスを
包むゴムの管が複雑に締め付けて来た。初め先端を締め付けたそれは、まるでゴムのわっ
かでも被せるように頭を包み込み、途中、左右からの大きな圧迫感を伴って、根元まで通
過した。それは初めて知るレナの女としての感触だった。バーチャルではあるが、レナへ
の挿入感にアキラは少しの満足感とその何十倍もの悔しさを同時に味わった。
黒いディルドーがゆっくりと抜かれ、ピンク色の卑わいな粘膜が微かに纏い付くのが見
えた。蠱惑的な映像と、ペニスへの刺激に危うく射精しそうになった。
先端まで抜けかけたペニスをレナはせつなく締め付けてきた。
画面に映ったレナの顔はすっかり発情し、別人のようだった。視点が再び変わり、黒い
手がレナの脇腹を鷲掴みにしていた。再び注挿が開始され、ゴムの管がリズミカルにペニ
スを締め付けてくる。画面には皺を寄せ跳ね上がるレナの腹と捩れる腰の肉が見えた。時
折、茂みの下にちらちらと露出する粘膜。すべてがアキラの性感を強烈に刺激した。のけ
ぞってものけぞっても映像は目の前に展開し、ペニスは貪欲に締め付けられた。
そして一際、リズミカルな収縮の波がアキラのペニスを襲った時、アキラは上体を跳ね
上げ、激しく腰を奮わせながら果てた。