テーマパークの虜達 【30】
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一戦交えた後のレナの性器は、緊張感を失い、肛門も丸見えだった。ゴーグルの視界に
広がるレナの陰部を、ただぼっと見詰めていると、人間でない何か動物の生々しい一部の
ように見えてくる。しかし、サラに陰唇を摘まれ、身じろぎすると、本人であるレナとの
関連性が蘇り、せつなかった。
「もっと綺麗なおま◯こ想像してた？」
「やった後のおま◯こって汚いのよね！毛も乱れちゃって、髭モジャ親父の口みたい」
パメラ達の野次を気にする余裕はなく、アキラの意識はゴーグルの向こうの世界に釘付
けにされていた。レナを思い、感じる度。アキラの物は脈動する。もうピクリとも動かな
い人口性器の中で……
サラは、獲物を仕留めた猟師がそれを値踏みするかのように、レナの挿入口を寛げた。
ピンク色の粘膜は、まるで生あくびでもするかのように上下に息づく。裏ビデオの鑑賞者
を想定したかのようないやらしい画造りは、アキラの悔しさを蘇らせる。
一通りレナの使用後の性器を不特定多数の未来のユーザー達に向けて開帳すると、サラ
は再び起ちあがった。快感の逃げ道をもとめ、さっきまで痙攣する様にばたついていたレ
ナの両脹脛は、力尽きた様にぐったりとぶら下がっている。サラは大根でも掴む様に、左
足の向う脛を掴む。レナの両足は、閂でも外すかのように、不随意的に、なすがままに床
に降ろされた。レナは、股を閉じると言う単純な自由をようやく許された。サラは退き、
レナを俯瞰的に眺める。やがて、今までの恥じらいを取り戻すかのように、ぐっと両足を
閉じ合わせるその姿は、まるで十字架に架けられた乙女のようであった。
その姿に、サラはレナをやっぱり上物だと思った。
そして、同じ視点を共有するアキラはレナを愛することに対する誇りのような思いを新
たにすることが出来た。
湧き起こる全ての感情を押し殺した様な虚ろな瞳を、自らの右肩に落とすレナ。
そこで映像は消えた。プログラムは、全て終了しましたとでも言う風に！
パメラ達の存在感が再び濃度を増してくる。視界が真っ暗になったアキラの耳に、パメ
ラ達の勝手な会話が迫って来た。
「この子、さっき怒ってた感じがしたわよ！なんかそんなオーラが背中に漂ってたの
よ！」
パメラが応えた。
「怒ってる？！怒ってるのは、こっちよ。アリエスに要塞を奪われたのは痛かったわ。一
日当たりの稼ぎ、百万は下らなかったのに。この子も、身代わりを受けたんだから、徹底
的に従って貰うわ！ゲームルール上は、捕虜交換契約でも！この子が私と交わしたのは、
奴隷の誓よ」
茜が宥めるように言う。
「はい、はい！じゃあ、ちょっと調教不足な訳ね。もう少し奴隷化を進めないと！」
無防備で情けない姿のアキラを斜めに見下ろし、パメラは応えた。
「勿論！」
「でも、私、あんまりヘイコラしたのはやだな」
パメラが茜の豊満な胸を突付きながら注意した。
「あなたの奴隷じゃなくて、私の奴隷よ！」
腕の戒めも解かれ、自由の戻って来たレナは、やっと思い出したように言う。
「ジーンズを返して」
「えっ！？」サラは何の事？とでも言う風にレナを見返す。
「あなたには、素敵な衣装を用意してあるわ」
諭す様に付け加えるサラ。「昨日言ってたじゃない。私達の衣装の事、素敵ねって」
気が滅入るレナ。
サラがレナの目の前に突き出したものを見て、レナは、更に愕然とした。
レナにはそれが、透き通ったビニールの塊にしか見えなかったからだ。
「それに、これもあげるわ！」
丸い萎んだボールのようなものが、レナの目の前に突き出される。水面に浮かぶ薄い油
膜のように虹色に輝く表面。裏地はスポンジのような柔らかい素材で出来てる。
「外歩く時、顔見られるのは、嫌でしょ。マスクよ」
「何しろこの貴方用のスーツ、乳首もお◯んこも透けて見えるから」
惨めな思いに、ベソをかきそうになるレナ。
まるでそんなことにはお構いないかのように、サラが部屋の照明全体を明るくした。
相変わらず、下半身裸で、靴下も履かず、陰毛も丸出しの自分を自覚したレナ。激しい
羞恥心と絶望感が彼女を襲った。
泣き喚きそうなレナを見詰め、サラが言う。
「想像だけどパメラの所に居るアキラはきっと、もっと辛い思いをしてるわ」
宥める様に言葉を継ぐサラ。
「多分、慰めて欲しいのは、彼の方。プライドをずたずたにされた男ってなかなか立ち直
れないから」
「大人しく言うことを聞いてれば、明日にはアキラと逢わせて挙げる。この件に関しての
パメラとの交渉は約束するわ」
そう言い、近づきながら、サラはようやくレナを抱き寄せる間合いに持ち込めた事に安
心した。
「リタイヤの件は彼とあった時に、決めれば？」
「敵とか味方とかじゃなく、私は貴方が好きなの。解かる？」
レナには今の自分が、どんな感情と態度を持つべきなのか本当に判らなかった。自分か
らどんどん判断能力が失われつつあるのだけは、おぼろげに自覚出来る。
サラはレナを妹のようにそっと抱き寄せた。
「それで良いのよ」とでも言わんばかりに……