テーマパークの虜達 【31】
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アキラの睾丸に冷たい指先が宛がわれ、尻にサラの温かい吐息が触れる。
ビクリと腰を震わすアキラにお構いなく。それは手際良く取り外され、ミーナの鼻の前
に、突き出された。
パメラが言う。
「ゴックんするのよ」
アキラから精液を搾り取ったホルダーを、その手に受け取り、真意を量り兼ねたミーナ
が佇む。
さわやかに笑んで見せるパメラ。「冗談よ！」
ミーナは相変わらず複雑な表情を見せ、立ち竦んで居た。
「それは流しておいで、それから、白いのを着て来るのよ」
「この子のお腹をすっきりさせてあげるわ」
アキラに装着されてるヴァーチャルシステムの端末ディスプレイのキーボードを操作し
ていた茜が振り返った。
「外のお客と違うのよ」とでも言いたそうな顔で……
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テーマパークとそれに関連したビジネス及び住居都市機能が集約された複合ビル街には、
常時、一万人以上が住み、来場者や宿泊者を含めたピーク時の人出は、10万人を越える。
インターネットのアクセスでゲーム関連世界を覗きそして住まう仮の訪問者達は、５百万
人以上。一日中情報発信し続け、一晩中眠ることのない、日本に現れた本物の不夜城。日
当たりの経済規模？単純に売上のトータルは、先日50億を超え、今や百億を目指す！年
間では、1兆規模の商業都市に育ちつつある。その内訳のほとんどが、サービスと情報の
やり取りから生まれている。
（これって、鳥居君じゃない？）瞳は同僚から送られてきたメールの文章を、頭の中で
反復しながら。添えつけられたムービーのアドレスをクリックした。テーマパーク全体の
運営を担うネットコスモス興業からソフトやシミュレーション機器類の企画、運営を
100％委託されているゲーム機器大手（株）ミミクルの子会社に勤める彼女。今日は、会
社の寮にいた。遣り残した仕事の一部を自室のパソコンで処理していたところに、麻紀か
らのメールが届いたのだ。同じヴァーチャルデザイン部の彼女は、でばがめ趣味で怪しい
サイトを移動しては、裏の情報を集めてくる。
いつもとんでもない映像ばかり拝見させられている瞳は、目を細めながら、ビデオクリ
ップが始まるのを待った。案の上、エロ系の映像が現れた。裸の１人がうつぶせで台のよ
うなものに拘束され、周りを女王様然とした衣装の女達が囲む。クリップは、編集したも
ののようで、誰の顔も見ることが出来なかった。膝を固定された人物がお尻を震わせてい
る。お仕置きでもされているのだろうか？鞭打たれているようにも見えないし。臀部に浮
かぶ逞しい筋肉に気付いて、瞳は麻紀の言わんとしていることが判った。「男だ！」まさ
か！？麻紀の悪い冗談だと思う。
ヴァーチャルデザイン部に筐体調整室が機動組織として編成され、瞳が配属されていた
時、モニター兼アルバイトで顔をだしていた学生、鳥居輝と出会った。シュミレターの台
座となる電気自動車の改造プランなどを手がける同じチームに配属され、泊りがけで大手
自動車メーカーの開発室とのミーティングに参加したりもした。人懐こいけれど、しっか
りとした夢を持ったアキラに、瞳は惹かれて行った。彼が二つ年下なのは、少し気になっ
たが、彼も瞳を頼った。
でも、アキラの心の中に意中の人がいたのは、瞳のアクションを控えめなものにした。
半年足らずのことだったけれど、瞳の中で未だ恋心のようなものが燻っている。
男の背後には、カバーの着いた白い大きな植木鉢のようなものが据えられていた。
ショットが代わり、お尻の穴が丸見えになった。その下の男性を示す、二つの膨らみは、
可愛そうに子供の様に縮みあがっている。女王の楽しみは、こんな所にあるのだろうかと
想像していると。当の女王様は、下腹部を台座に刷り上げるように悶える男の尻の肉を、
肌色の手袋を嵌めた手で、弄ぶ様に掴み廻し、彼の浮いた腰を台に押し付けた。汗で濡れ
る尻の谷間で肛門が痙攣するように絞られた。一瞬、男の身体から、力が抜けたかのよう
に見えたその刹那、瞳は信じられない光景を見た。まるでおしっこが飛び出すかのように、
液体が彼のお尻から噴出した。
確かに、ゲームプレイ上でアキラが行方不明なのは、知ってる。でもそれだけで、これ
を送ってくる麻紀は、早合点にも程があると思った。この世界では、フェイクの方が本物
より遥かに多いのだ。
可愛そうな虜が必死で耐えていた。僧帽筋が漏りあがり、緊張した後背筋の谷間は深ま
る。大臀筋を初め全ての筋肉に絞りあげられた腰は、艶かしく左右に震えた。瞳には、そ
の耐える姿が色っぽく見えた。女の私がバックから責められたとして、こんなセクシーな
表現が出せるだろうか？彼の努力の甲斐もなく、液体は、再び迸る。瞳の心の中で、頑張
れと声援を送ってやりたい気持ちと、もう助けてあげて欲しいと言う気持ちが同時に湧き
上がってきた。
アキラが将来この会社を志望しているのは、知っていた。でも、去年から体験入国制な
るものが出来。このゲームに参加経験あるものが優先的に採用される仕組みが出来てしま
ったのだ。確かに、この特殊なテーマパークの企画に携わるには、それ自体を体験した者
の方が相応しいかも知れない。
アキラから最後に相談を受けた時、このゲーム世界がアダルト傾向を強めていることを
二人で懸念した。でもアキラの意中の人がプレイヤーとしてネット上で名乗りを挙げてい
たことが、彼を決断させたのだ。確か、今レナと呼ばれているその娘が……
嫉妬が胸を過り、この映像の男性が本当に輝君だったら。自分はどんな気分になるんだ
ろうと思った時。明らかに排泄物だと思われる塊が、肛門から迸り出た。お尻の谷間は、
汚れ、あまりのことに瞳の指先はEscに向かった。指先が届く前に、視点は切り替わり、
半ば力尽きたものの、未だ歯を食いしばり頑張ろうとする若者の横顔が現れた。目や鼻は
何かのゴーグルに隠されている。
皆で飲みに行った時、よく二人一緒に座らされた。人目の気にならない時、よく輝の横
顔を見詰めた。柔らかい耳の容と、優しいうなじを覚えている。
髪形こそ違うものの見慣れた横顔が目の前の画面にあるように思えた。
ビデオクリップは終了した。
ドキドキしている。激しく輝のことが思い出される。理解しがたい感情と戸惑いを覚え
る。押さえきれない何かが身体の中を渦巻いた。都合の良いことにカーテンも閉まり、部
屋の中も暗かった。