テーマパークの虜達 【44】
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パメラは両手で、アキラの両膝を開いた。立ち上がるパメラ。途端にアキラが口を開く、
お仕置きに懲りたのか、それとも急に素直になったのか？
「甘い匂いがしました」
パメラが眉を顰めた。
「甘い？」
そりゃぁ、レナの体に塗られたローションの匂いだろ。それともアキラの詩的表現？
「ふーーん」
パメラの反応に、その意図を察したかのように付け加えるアキラ。
「汗の匂いもしました」
金を払ってまでパメラの元まで来るM男性ならともかく、素直過ぎるのが気に入らなか
った。覚めた態度を採るなら、貴方の覚悟の程を試してみるまでよ……。
もともとその積もりなのに身勝手な納得の仕方をするパメラ。
「じゃあ臭かったんだ」
プロレス技を掛けるようにアキラの両足を抱える。下半身をどっこいしょと持ち上げた。
腰を浮き上がらせられ、より恥ずかしい格好になる。後転する前の姿勢のよう。パメラの
膝小僧が、ふとももに触れ、どきりとする。自分の主砲は、持ち主の顔面を狙うかのよう
に中央に揺れた。
それをチラリと見るパメラ、そして呟いた。
「若いわね…・・お腹の出た中年だとこうはいかない」
アキラの体を布団を畳み込むように両足で押さえながら、後ろ手で「んーー、」と前に
ソファーを引き摺った。唇を食いしばり、鼻の穴を大きく開くパメラの表情は、男心をく
すぐる一面も覗かせる。いちもつに引っ張られた膨らみがゆっくりと前に裏返り、肛門が
パメラの姿を見上げる。アキラの左右に開かれた太腿を、片足づつ器用に跨ぐパメラ。ワ
ンピースの裾が知ってか知らずか彼の睾丸をくすぐる様に撫でた。
パメラはアキラの両膝を捕み、軽く後ろに押しやった。宙に浮いていたアキラの踵は、
ようやく座面に落ち着いた。今や彼の上半身に跨って立つパメラは、喧嘩に勝ったガキ大
将のよう。美しく青みかかった瞳が、アキラを見下ろす。
今日は白い綿のパンティーを穿いていた。これがパメラ目当てのクラブの客なら、鼻の
下を伸ばしながら薄目で必死に覗こうとする筈……
アキラはパメラの瞳を、吸い込まれるように見詰め返した後。沈黙に耐えられなかった
のか、ぎこちなく瞼を閉じた。不良に因縁をつけられまいとする真面目で小心な少年のよ
うな彼の態度。それはパメラの胸をキュンとさせた。そっと、アキラの顔の上に屈みこむ
と、しばらく彼の顔を眺めた。瞼の裏で怯えるように眼球が蠢いている。
彼を可愛く想い、ぞくっと来た。乳首が少し硬く敏感になった。彼の顔を挟んで両膝を
床に着いたパメラ。自分の鼻から出た息が少し熱を帯びて来ているのも判った。
もし、これがゲームでなかったら。近くにチームの隊員も居ず、本当に二人きりの時間
が過ごせたなら、キスしていたかも知れない。でも私は勝者でこいつは敗者。あくまで今
はイベントの一環なのよ。パメラは自分にそう言い聞かせ、甘い感情を振り払うと、アキ
ラの髪を左右からグイと掴んだ。アキラの顔の上に自分の腰を運ぶ。ワンピースの裾に、
顔がすっぽり入った。鼠頚部に彼の吐息がかかった。膣の中が熱くなる。鼻の先に膨らみ
を押し当てた。下着の生地を押し分け、アキラの鼻面の感触が割れ目に触る。少し眩暈の
ようなものを感じながらも、グイと押し当てた。
「私の匂いはどう？」
アキラはただ固まっている。
「レナの匂いとどっちが好い？」
答えを促すように、局部を擦り付ける。大陰唇が開き、膣口が舌なめずりしそうな感じ。
女王として少し恥ずかしい気がした。奴隷の愛撫を渇望するなんて……
歯を食いしばり、髪を掴んだ手でアキラの頭を軽く左右に揺すった。
「どっち？」
まるで、その問いに答えるためかのように、アキラが呼吸する。不覚にも体をぶるっと
震わせてしまうパメラ。
ああ、もうセックスしたい。下着は、アキラの呼吸とパメラ自身の湿り気で、一部肌に
貼り付いて来た。質問に応えないアキラを責めるつもりで、股間を押し付けるパメラだっ
たが、このままだと自分が気持ちよくなる為にそれを続けてしまいそう。自制心との闘い
だった。アキラが何かフゴフゴ言った。
「何？」髪を掴む指に力を加えるパメラ。
「レナ……」小さな声でそう言うアキラ。
反抗的な返答だけど、ちょうど良かった。このまま続けていたら、腰が立たなくなりそ
う。
「可愛くないわね！」
バシッとアキラの頭を叩き、腰を上げる。
「貴女も好い匂いです」
付け足すアキラ。
「手遅れよ！」左の頬を張った。
SM初心者にする痛くない程度のビンタだ。
「それに貴女って言うな！」今度は右の頬を張った。少し強めに。
驚いた目でパメラを見返すアキラ。怒ってるの？と疑りながらもパメラは言う。
「パメラ様！よ。それか女王様！」
アキラの鼻を摘みあげた。
「それに、香！っていいなさい。私のお○んこは、香り！レナのは、臭い！でいいわ。解
った？」
返事に困るアキラの頬をまたビンタする。
顎の先端を掴み再び訊いた。
「けじめつけれる？」
しぶしぶ頷くアキラにまた容赦なくビンタを入れる。
「返事しなさいよーー」
ほっぺを抓った。
「はい……」
消え入るような声で返事するアキラのこめかみを両膝で挟み、力を加える。
「まだ口の利き方がなってないわね」
連続する仕打ちに、彼は苦しげに応えた。
「はい……、解りました。パメラ様」
パメラの股間の暗闇に飲み込まれていくかのようなアキラの返事。
彼女を見上げるアキラの目は少し恨めしげに見えた。
少し悲しい表情を返すパメラ。アキラは確かにこんなSMプレイは望んでないかもしれ
ない。でも自分的には愛情に満ちた丁寧なプレイをしてるつもりなのだ。時間辺り10万
は採りたいぐらい。折角の獲物が、ただのM男になってしまうと面白くないのは解ってい
る。でもその反面、自分への消し切れない敵意のようなものをアキラの瞳に見出すと、少
しムカッと来て、ガチガチのマゾに仕上げてやろうかとも思うパメラだった。