テーマパークの虜達 【57】
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別室からのサラの操作でカーテンが少し開いた。もしアキラが、上を向いたら私に気付
くじゃない、そう思った。サラの意図を解しかねるレナ。
パメラに鬼頭を弄ばれ、瞼をぐっと閉じるアキラ、ギンギンになった彼の性器は、敏感
さを増していた。パメラの指の間から触れる空気さえ性的刺激に感じる。パメラが、突然、
ペニスへの悪戯を止め、握る力を弛めた。遠ざかるパメラの指先に曳かれ、一端天井に頭
を振り、反動で跳ね返る男根。下腹部に当たり、ぺちんと音を立てる。アキラは、呻くよ
うな微かな悲鳴を上げた。
天井に向いて開かれた彼の太ももを器用に交わし、立ち上がった様子だった。
肛門に挿入されたストッパーが、グイっと曳かれる。まさか、そのまま抜き取る気か？
アキラの脳裏に旋律が走る。
「ほら、グッと力を入れないと抜けるよ。あんたの肛門は昨日から大分遊んで挙げたんだ
から…前から比べると緩くなってるんだから」
馬鹿にするように、そう言うセリフを浴びせるパメラ。アキラは「そんなことあるもん
か！」と心の中で反論した。
うっうっ！でも無理矢理抜かれると、何か別の臭いものも一緒に出そうで、それだけは
避けたかった。その前にお尻の穴が大丈夫だろうか心配だった。
更に引く力が加わり、いてててと焦りながらも。まるで餌を捕り損ねまいとする魚の口
のように、繰り返し収縮を試みた。自分の粘膜がゴムの脹らみを何とか引き戻そうと健気
に努力するのが感じられる。
「あらあら、ここ2日の内にずいぶんと器用になったもんね、あんたのお尻。引っ張る感
触が楽しいわっ」
パメラがドシっと、腰を落ち着ける震動があり、尻尾を引っ張る力も弱くなった。でも
パメラは一定の力で引っ張り続けている。自分では見れないのだが、お尻の割れ目から肛
門周辺が盛り上がり、パメラに向かって突き出てる感じがする。
ううっと呻くアキラ。でも今度のそれは悔しさからだった。
ペニスが再び何かに捕えられた。パメラが再び手に取ったのかと、思った。だが、何か
感触が違う。まるで、小動物に「わっ」と抱きすくめられたようだ。驚いて、目を見開く
アキラ。すぐには理解できなかったが、やがてアキラの頭脳は事態を認識していった。パ
メラが裸足の両足の指先で、アキラのペニスを器用に握りしめている。そして自分が、背
後に倒れないようアキラの肛門に挿入された尻尾を握りしめているのだ。ミーナがフラン
クフルトにマスタードをかけるような仕種で、アキラのペニスにローションをグルグルと
注ぎかけた。
片足で、アキラのペニスを自分の方に引き寄せ、もう片方の足で男根の裏側を撫でまわ
した。ローションのおかげで、適度な刺激がアキラを襲う。たまにあたる爪の先が、アキ
ラの射精を促す。
パメラは、脱いだくつ下でも持て遊ぶように、アキラのペニスをグルグルやった。とき
どき、パメラの踵で、踏みつけられるように腹部の方向へ押しやられる睾丸。
苦し紛れに体を捩るアキラ。「ンニュルン」と逃げた男根を、追いかけるパメラの両足
首は、瀕死のネズミを、奪い合い、弄ぶ、二匹の猫のようだ。
アキラの男根は、ついに、女王の右足の親指と人差し指の間にガシリと捕えられた。ま
るで首を絞められる様の、その雁首から鬼頭にかけて、女王の左足の親指が一定のストロ
ークで、刺激を与えて来る。猛り狂うサイの頭のように……
アキラは、殆ど閉じた瞼の裏で白目を剥いた。
「うっくぅーーーーーー！」
アキラのくぐもった悲鳴が、静かに、部屋を満たした。
尿道に痛みを感じる程だった。
大砲の様にアキラの頭上に向けられた彼の男性器から発射された初弾は、誰の目にも止
まらなかった。しかし、レナだけが、あっと叫んだ。恋人の体から発された、まだ温もり
の残る愛の迸りの粒が、弾道軌道を描いてカーテンの隙間を通過し、彼女の鳩尾当たりに
到着したのだ。
他の面子も、女達は、全員興奮し、息を呑んだ。そして、直後に発射された「ぴゅぴゅ
っと」言う射精は、パメラとミーナの目撃することとなった。メインのドクっドクっと彼
の腹部に飛び出たミルク色の流動体は大匙一杯以上あった。
ミーナが、「スゲー」と呟いた時には、もうそれは、アキラのわき腹に向かって、ツー
ーと滴りだしていた。自分とのエッチで絞りだされたものでないことが、残念に思えた。
同じ感情は、カーテンの奥にいるレナの方が深刻で、その想いは彼女の胸の中で、怒りを
伴った感情と共に炎上していた。
パメラは、「ふうーー」とため息を付き、自分のやり遂げた仕事を見下ろしている。
そして思った。ちょっと、やり過ぎたかな。まだまだ調教は続けるつもりなのに、こんな
に出したんじゃ、暫く勃たないかもーっ！……
まだ、快感の余韻があるのか、険しい顔で背中を反らせるアキラ。尻尾がビクンビクし
ていたが、だんだん落ち着いて来た。本当に無理に抜けると不味いので、既に体重をかけ
るのは止めていた。ただ、ペニスと連動してビクつくその感触を楽しんだ。
突然、部屋に大三者の声が響いた。アキラは驚き、割れに返った。
「そろそろ時間だわ。残念だけど、私ゲームの方に戻るわね」
アキラは、スピーカーからの声であることに気付き、少し安心した。しかし、この惨め
な寸劇をミーナやパメラ以外の女性にも目撃されてた可能性が高いことを察し、愕然とし
た。
「凄いわね！その娘のとこまで飛んだ見たいよ！」
その娘？とは何のことだと思いながらも、アキラはどこかで聞いたことがあるようなそ
の声のことも気がかりになった。ミーナがアキラの側を通り過ぎ、彼の頭上の方に、歩い
て行く。
今やアキラの背中と床の間で、ネチャネチャする彼の精液を処理してくれるものと思った。
匂いもしていた。パメラに、この匂いを嗅ぎつけられるのは悔しく思う。
「ミーナ確かめてごらん」
スピーカーの声の主がそう言い。
カーテンが電動で開かれる微かな音がしたっ。「ヒッ」と言う悲鳴のようなものが聞え
た。
悪い予感がアキラの脳裏を過る。パメラの顔を見た。目を細め、瞑想状態のようなパメ
ラの表情。まるで、魂の籠らないＣＧのように冷たい。
恐る恐る自分の頭の上の方向を、身を捩りながら仰ぎ見る。自分も拘束された、丸いス
テージ上の吊り用スタンドに、ビキニ姿の女性を見つけた。彼女は吊られた左手で、アキ
ラから自分の顔へ至る視線を遮ろうとする。そして、まるで、気持ち悪いものから目を背
けるように、頭を右肩の方へ交わした。でもそれは、無駄な努力だった。昨日身近に抱い
たレナのボディラインがリアルに蘇ってくる。そしてレナのチームに参加してからは、い
つも切ない気持でチラ見していたレナの横顔と顎のライン。パメラのシナリオがおぼろげ
に見えた気がする。遠くの世界から抑揚のない高い音が、迫りくる感じがした。
あれっ、これって、失神するの？アキラはやばいと思った。
目を閉じ、心を落ち着けようとした。
そして、心の叫びが提案して来た。もうこれ、失神しようぜ…