テーマパークの虜達 【24】
★
頭上に固定されたレナの上腕部をサラは揉みほぐした。
「なかなか逞しいわね」
爪をたて、腋の下にまで線を描く。両手でそれが繰り返される。
「くすぐったい？」見下ろすサラ。
レナは目を細めながら身をよじった。
サラは指先に力を入れ、反復した。レナは切なく淡いため息を吐いた。
「気持ちいいみたいね」
レナは、反抗する。「良くないっ！」
「あら。まだそんな気で居るの？」サラが怖い顔をし、レナは目を背けた。
レナの左の乳房をサラの右手が掴んだ。「柔らかいブラね！あなたのイメージにぴった
りよ」
サラは眼鏡をずらすように無造作にブラを上にずらした。もう片方も。同性に胸を曝け
出さされた悔しさと恥ずかしさにレナの唇は歪んだ。「フロントホックだけど、外さない
で置くわ！この方が間抜けで良い絵面だわ」
震えるレナの唇を宥める様に、サラの指先が脇腹を迂回して乳房の周りを掻き上げた。
白い肌に淡い桃色の線が幾本も浮き出る。
レナの隅々の神経に刺激が伝達され、体中の毛が逆立つのを感じた。
「私に身を任すのよ」
「ほどほどで、良い容よ」 サラはレナの右の胸を掴むとそう言った。こんな時でさえ、誉
められて悪い気がしない自分が馬鹿に思えた。サラはそのまま身を寄り掛からせ、レナの
首筋にキスをした。そして肩を愛撫し、胸へと続く筋肉の束に弱く噛みついた。張り切っ
たその部分にかすかな歯形が付く。レナのひっと言う苦痛の声は無視し、今度は腋に舌を
這わせ出した。
レナは一度ぶるっと身震いをし、サラは行為を中断する。一瞥し、上気し紅潮した切な
い表情を確認すると、サラは、レナの胸を口に含み、愛撫しはじめた。
舌の先でつんと突き出した乳首を弄びながら、そっと、ジーンズの股に手を添える。「あ
なたお股に縫い目が食い込んでるわよ」そう言いながら中指で左右を探った。白いデニム
生地を押し上げるかのように大陰唇の膨らみがズングリと息づいていた。「居眠しながら
よがってたの？」レナは、サラの問いかけに真面目に首を横に振った。「うそおっしゃい！
熱いわよここ」そう言いながら、陰部に食い込んだ紐の様な有様のホワイトジーンズの縫
い目を摘む様に押し上げる。レナは、声をあげた。
サラが問い詰める「気持ち良いんでしょ？今、イヒッて言ったの？それとも好いって言
ったの？」
レナは情けなげに首を振る。サラの中指が激しく左右に振られた。全体を掴むように押
し上げてくる。「イッ、イッ、ｈｉ、ｈｅ」もうショーツの股もすっかり自分の陰唇と食
い込み絡み合っている感じがして、レナは、想像するのが恐ろしかった。このまま丸裸に
でもされたら一生の恥である。そんな理性を無視するかのようにレナの口からは、勝手に
声がでた。サラの指はジーンズの生地越しでさえ、内側を把握してるかのような、巧みな
攻撃を仕掛けてくる。以前、地下鉄で痴漢に遭って、ただ気持ち悪く吐きそうって感じた
のとは大違い。何かがクリッと剥けた感じがして、ビクンと来た。尻の割れ目が絞られる。
「いひっ！いひっ」サラが、股間への攻撃を続け、胸を鼻先で玩びながら、彼女の物まね
をする。「いひっ！いひっ」
「やめて〜〜」と言う悲鳴は、声にはならず、ただ心のなかで響くばかりだった。レナ
は、自分がだんだん「とろ〜〜ん」とした状態になるのを自覚し、ヤバイと思った。もう
この状況から後戻りできないと言う確信が芽生える。乳首がチクンチクンしてきた。
たすけて〜〜！
サラは、両方の乳首を均きり、愛撫し、やがて完全に勃起させると、今度は同性の肌の
匂いを楽しみながら、胸から腹へと舌をそわし移動して来た。
脇腹に爪を立てながら臍の周りを激しくなめる。時折、腹部の肉を口に咥えた。レナは
椅子を軋ませ、サラの行為に耐えた。
でも、ジーンズがいつの間にか引き摺り下ろされようとしていることを知り、太腿を緊
張させた。「こらっ！」サラが怒鳴る。上半身を起こすと、ツンツンになったレナの左乳
首をきつく摘んだ。レナが経験した今までの男とのセックスより遥かに愛情のこもったよ
うな愛撫をするくせに、言うことを聞かないと意外と厳しい。顔を強張らせながらレナは、
薄目にサラを見返した。冷酷そうな口元がレナを威圧する。しっかりと股を閉じ、腰を沈
めるレナ。サラは腹を立てた。乳首の先端をきつく摘んだまま、古いラジオのボリューム
を回す様に捻った。悲鳴をあげるレナ。「なに！ぎぃや〜〜んって！ガキンチョみたいな、
声挙げないの！早く腰を持ち揚げなさい！出来るでしょ」
ぜんぜん力を緩めてくれないサラ。とうとうレナは、べそをかきながら、従った。
乳首が痛〜〜いと心の中で抗議しながら。病人がパジャマをずらしてもらうかのように、
腰を浮かす。踝の上を閉めるベルトが軋んだ。サラは、レナの膝下まで器用にジーンズを
降ろすと。再びレナを見詰め返し、今度はレナの臍の上に顔を寄せた。ドキッとするレナ。
「色は黒だけど、優しいラインのショーツね！あなたらしいわ」
指でクロッチの部分を突つく。
「凄くお湿りしてる」
確かめる様に一通り、全体を撫でまわす。
レナは、首を捩り、「ムふっ」と鼻息を漏らした。そして今度は、わざわざ張り付いた
部分を摘み上げ、生地が割れ目から離れるのを面白がった。
レナは、熱った亀裂に外気を感じ、ぶるっと来た。興奮の潮が少し退き、同性に玩ばれ
る異常さをどう受け止めればいいのか、混乱した思考が頭の中で錯綜する。
サラの唇がレナのショーツの縁を咥えた。鼻息が腹にこそばい。ゴーグルの縁が皮膚に
擦れる。シャワーを浴びさせて欲しいと思った。女心がレナを不安にした。
このまま恥部をサラの目の前に晒すのは、口惜しい。
「やめて！」
レナの懇願はすっかり無視され、サラは咥えたショーツを勢い良く引き下げた。黒いシ
ョーツはクロッチ部分を残して裏返り、茂みが顕わになった。サラは馬鹿にした様に言う。
「じゃ〜〜ん」
レナは消え入る様に言った。
「きっと汗臭いわ」
サラは意地悪にレナを見詰め返す。
「汗の匂いだけかしら？」
蘇りかけた抵抗しようというレナの気持ちを遮るかのように、サラはとうとうレナの女
の部分に顔を近づけた。レナは、神にも祈る気持ちで天井を仰ぎ見た。
…これ以上この女に馬鹿にされません様に…